司書講習への道

市の図書館に臨時職員として勤めて8年目の2015年夏。亜細亜大学の司書講習で図書館司書の資格を取ることにチャレンジしました。その経過を書いています。受講中の記事は2015年の7月から9月までです。古い日記が下になっています。

2019年度東京都某市立図書館嘱託員1次試験(作文)

こんにちは。お久しぶりです。

前回、図書館で働くことについての警告を発しておりましたかわにんです。

 

相変わらずその心は持ち続けております。

非正規職で図書館に人生を捧げることは危ない。

これだけで長い人生を安心して乗り切っていくことは到底できません。

 

30歳以下なら狭き門である正規を目指すなり、他にも自活の道を探るなり、これだけに

頼らず何かリスク対策をとることを強くおすすめします。

 

何度も言うようですが、図書館界はブラックな職場もあります。

身体を壊して再起不能になってからでは遅いです。(そうなる前に逃げてください)

 

しかし、他にも人生設計を考えており、そのひとつの手段として。(副業とか)

あるいは、次なる手段への前段階として。正規試験に受かるまで期限を区切って。

あるいは、自分なりに綿密な計画のもと、ここで何年以内に何のスキルを身に着ける

か、身に着けてどうするのか、などなどはっきりとした目的意識を持って。

 

というふうにそれなりに考えたうえの選択であるなら、それもまた良いと思います。

 

偉そうなことを言いましたが、私もまだそうはっきりと人生設計が描けているわけでは

ありません。ただしもやっと上記のような考えのもと、個人的な事情もあり、またして

も某市立図書館の試験を受けてきました。なので、ここに様子を記録したいと思いま

す。

 

なぜブレーキをかけておきながら試験問題を記録するのか、ですが。。

 

他人からいくら「図書館はきついよ。正規は狭き門だよ。嘱託は給料低いよ、生活する

の大変だよ。破綻するよ。」とかやいのやいの言われても、ここを見ている人は、それ

でも一度図書館の仕事をやってみたいという気持ちに変わりはありませんよね?

私もそうでした。

あとは、「そうはいっても実際やってみないことには、どうにも実感がわかないからな

あ。」とか思っている人もいるのでは?私もそうでした。

 

であればさっさと受験を済ませ、憧れの図書館で働ける人を少しでも増やして、より

多くの方に実態を知ってもらい、「本当だ。図書館はひどかった。あの待遇はない。

あのやり方はない。やりがい搾取そのものだ。改善が必要だ。」などと声をあげたり、

実際に行動する人が増えてくれればいいなというのが本音です。

 

嘱託職員とか臨時職員の待遇ですが、私の実感から言うと、黙って働いていて待遇

が改善されるというようなことはほぼ100パーセントありません。

(バイトと同じ臨時職員は国が最低時給を上げればそれにつられてあがりますが、

せいぜいその程度です。第一、正規や嘱託を対象とした組合費は高すぎて、臨時職員

労働組合にすら入れません。)

 

無理のない勤務体制がとられていたり、融通がきいたり、雇止めがなかったり、選書が

できたり、ボーナスがあったりするようなところは、必ず労働組合があります。

 

そういうものはいわば労働組合が勝ち取ってきた成果なわけです。

 

考えてみれば当たり前ですよね?

忙しい正規職員の方々が、自らの取り分が少なくなるかもしれない非正規の賃上げのた

めに、わざわざ声をあげようと思うでしょうか?しかも自分は何年かで必ず異動するの

に。普通に考えれば、今の職場で人間関係さえうまくいっていれば、そんなことする必

要は感じないのではないでしょうか?(悪くても逆に感じないかもですが)

 

ストライキというのは、「人に迷惑をかけて問題を起こさないと何も変わらないから」

するものです。日々平和に過ごせていれば、そんなことする必要は、当事者以外、誰も

感じません。

そこまでいかなくても、団体交渉で正面切って要求したりしなければ(おおごとにしな

ければ)非正規の待遇はいつまでたってもこのままということです。

 

ただしこれは別に正規職員の方々を一方的に責めるところでもなくて、自分の待遇や

人生設計は人任せにせず、自力で勝ち取っていかなければならないということだと

私は思います。

 

図書館で働くことを志す皆さんが世間の荒波に飲み込まれず、軽やかに力強く、

お仕事生活を楽しいものとして乗り切っていけることを祈ります。

 

というわけで、前置きが長くなりましたが、今回の記録です。

 

東京都某市立図書館嘱託員1次試験(作文)

 

司書資格または司書補資格必要。事前に資格証のコピー提出を求められます。

 

書類選考はなし。1次が作文、2次が面接です。

 

1次試験:課題作文(60分)

 

与えられた課題は1問。これについて記述します。

まずメモ用紙と課題付き原稿用紙が配られます。

課題は事前には眺められません。時間までは裏返しておき、開始の合図と共にスター

ト。これらは後ですべて回収されます。

 

<課題>

少子高齢化、人口減少社会を迎えて、行政としてはどのような姿勢で業務をおこなっ

てゆくべきか、自分の部署と関連付けて具体的に述べよ。」(800字以内)

 

(メモ用紙を回収されてしまったので大体こんな感じと思ってください)

 

事前にこの自治体に勤める知人から以前の試験問題を聞いてはいたのですが、

その時から予想していたものとはまったく違いました。

(作文という形式は一緒)

 

ここは図書館だけでなく、児童支援員など他5種類くらいの嘱託員希望者が一斉に同じ

1次試験を受けます。なので「自分の部署」などという用語が出てきます。

 

図書館の試験問題としては非常にオーソドックスで、まとも(と言ったら失礼ですが)

だったと思います。

 

事前に自治体やここの図書館の特徴など、細かいことをほとんど何も勉強していかなか

ったので、そういうものが出たら即アウトでしたが、幸い、出ませんでした。

 

この問題で問われたようなことは、普段から考えているといえば考えていることなの

で、書く内容にはそんなに苦労することもなく、仕上げることができました。

 

ただし時間配分は少々読み誤ったようで、気づいたら「あと10分です」と言われて

少々焦りましたが。。。

 

申し込みは応募書類を直接持参しなければいけないというのはちょっとめんどうでは

ありましたが、その場で受験票を渡してくれるので大変助かりました。

 

また、60分の作文1問だけで1次試験が終わる、というのも非常にさっぱりしていて

よかったです。休憩を取る必要もなくさくっと帰れますし。

 

事前に作文提出を求められるとどうしても凝ってしまい、(与えられたテーマもそれな

りに難しかったりする)結局書類を用意するのに3日から1週間くらい費やしてしまった

りするので、結構な時間のロスです。(それでも1時間くらいでわりきってさくっと書

ければいいのかもですが。初心者にはかなり高いハードルだと思います。)

かといってそれに見合うだけの仕事内容や待遇が用意されているのか?と考えると

疑問だったりします。

 

有期雇用の低給料嘱託採用であるなら(しかも雇止め付き!!)、試験はこれくらい

手間をかけずにささっと終わらせていただきたいものです。

 

というわけで偉そうに書いてしまいましたが、他の施設などにも少し行ってみた感想

を総合すると、この自治体の印象はかなり良かったです。(なので逆にかなり手強い

印象でもある)

 

本日は以上です。