司書講習への道

市の図書館に臨時職員として勤めて8年目の2015年夏。亜細亜大学の司書講習で図書館司書の資格を取ることにチャレンジしました。その経過を書いています。受講中の記事は2015年の7月から9月までです。古い日記が下になっています。

2019年度東京都某市立図書館嘱託員2次試験(面接)

こんにちは。お久しぶりです。昨秋に前職を退職し、今春、また新たに別の自治体の

司書の試験を受けてきましたので、その記録をば。前職の時は必ずしも司書の資格は

必須ではありませんでしたが、今回は司書資格必須です。応募書類提出時に資格証の

コピーは提出済みです。

 

では、早速行きます。

 

・5人同時の集団面接(控室で告知)

・面接官は4人(1人は事務官?前に札あり。)

 

質問は前に「面接官」と書かれた札が置かれた3人それぞれからされましたが、

真ん中のベテラン女性司書らしき方からが一番多かったです。

 

控室にはすでに人が集まっていたにも関わらず、なぜか「集団面接ではない」「ここの

自治体がそんなことをするはずがない」と思い込んでいた私。今思うとそっちの思い込

みのほうが不思議ですが、直前に控室で5人の集団面接であることを告知され、予想外

の展開にとたんに緊張します。

しかも私が最初にノックをして入り、最初に席で受験番号を言うように言われます。

(最後にドアを閉めるのも私)

昨日面接対策の本をざーっと読んでおいてよかったー!と思いつつ、集団面接の項を

思い出しながらなんとかやりました。(ないだろうと思いつつ一応読んでおいた)

 

しかし、(名前ではなく)番号のみを言うように言われて、そのことで頭がいっぱいに

なり、「よろしくお願いします」を言い忘れ。

仕方ないので座るときに言いました。(結果は〇だったので、些細なことは気にせずと

もOKかと)

 

質問は以下の通り。

 

・なぜこの自治体の図書館を志望したのか

・市内図書館への転勤は問題ないか

・今までの図書館勤務経験で得たことは何か(図書館勤務経験がない人は、仕事の経

 験。でも全員が図書館勤務経験ありでした。)

・読書以外で趣味はあるか

・もしイベントや棚を自由裁量で任されたらやってみたいことはあるか

・差支えない範囲での併願状況と、健康面で何か配慮することはあるか

 

以上です。逆質問タイムはありませんでした。

 

全部で30分ほどだったと思います。

 

本以外の趣味は皆さん豊富でしかも深くて、聴いていて「ほほおー、すごいですね」

とか「面白そうですね」とか言いたくなるものばかり。

 

しかしあとから面接官が明かしたところによると、「この質問は接客業である図書館

では精神的にやられることも多いので、そういった時に気分転換できる手段を持ってい

るかどうかの確認で、趣味の内容自体で判断することはない」そうです。

 

ふむふむ。ちょっとほっとしました。私も一応ある趣味の活動を答えました。

 

質問は全体的にオーソドックスで、時間も普通だったと思います。

(むしろ集団面接だから1人あたりにすると短め?)

 

今回は質問の意図を見失うことなく答えられたので良かったです。

 

1問目はまだ最初の緊張を引きずっていてしどろもどろでしたが、

2問目からは自分に「落ち着け」と暗示をかけて、なんとか落ち付きを取り戻しまし

た。

 

こういう時には図書館カウンターで怒鳴られたりした経験が役に立っているなと思い

ます(笑)

 

19倍という倍率だったのでまさか受かるとは思っていませんでしたが、

幸運にも受かることが出来ました。しかし逆にそれくらいの態度が功を奏したのかな、

とも思います。

 

「肩の力を抜いて受けるとうまくいく」

 

というのは今までの面接経験からなんとなく感じたことです。

前回もそんな感じで受かりましたし。

 

逆に「ここに入りたい!!!」と力み過ぎると変に緊張したりして良くないかも、

と思いました。

 

あとは「私が私が!」みたいな態度もあまりよくないのかもな?というのもちょっと

思っていたことです。

面接はアピール合戦ではありますが、「必死感」みたいなものがあまり前面に出てしま

うと、「この人はチームワークに向いていないかも」と判断されてしまうのでは?

と思っていました。

 

面接官も人ですので、「この人と一緒に働きたいか」を見るというのはよく本に書いて

あります。そこで私はアピール材料としては「チームメイトとうまくやれます感」を出

しつつ、基本的にはあまり押しつけがましくならないように笑顔で普通に説明を心掛

け、あとは運を天に任す、ご縁があれば決まるだろう、ぐらいの一歩引いた気持ちでや

っていました。(笑顔はそんなにできていなかったかもですが)

 

質問には端的に答え、長々と喋らないようにすることもいつも気を付けています。

 

あとは面接官の目を見るとか、深めのおじぎとか大きめの声で挨拶とか、基本的なこと

をきちんとするように心がけました。

 

ちなみに面接前に参考にした本は、

「今さら聞けない 30代以上 転職のルール」(中谷充宏著/秀和システム/2015)

です。

目を見るとか大きめの声であいさつとかは全部この本に書いてあったことです。

この本はおすすめです。

最近の転職はほぼこれ1冊でのりきっています。

 

 

しかし面接は運だとも思います。

 

 

今回、ちょうど欠員が出た担当を私が希望していたから、というのは、かなり強力な

採用された動機のひとつのようです。

 

そればかりはもう運としか言いようがないですよね・・・。

 

なので不採用だった方もあまり気を落とされず。。。

 

私は面接を受けていて皆さんすごい経験者ばかりなので、誰が採用されてもおかしくな

い、と思っていました。

 

面接に関しては以上です。 

 

が、あともうひとつ、書きたいことがあります。

 

それは自分自身の心境の変化です。

 

長年ある市で図書館の臨時職員をやってきて、4年前に司書資格を取り、3年前から嘱託

員試験を受け始めて、はじめ第一志望はずっと元いた自治体の嘱託員でした。

 

しかし、3度挑戦するも採用ならず、3度目が終わった頃。。

 

自分自身の心境に思わぬ変化が訪れていました。

 

なんと元いた自治体の嘱託員にもう魅力を感じなくなっていたのです。

 

それはなぜかというと。。。

 

別の自治体の図書館嘱託員を先に経験して、前にあれほど苦労したことがなんなく

解決、達成されているのを目の当たりにし、戻るのがばかばかしくなった、というのが

まずは正直なところです。他にも魅力ある仕事内容がないとかもありますが。。

 

具体的に言うと、それは主に次の3点です。

 

1.市民用インターネットパソコンの設置と管理・運営がスムーズに行われている

2.年間カレンダーの配布(休館日が載っている)を行っている

3.予約者への電話連絡を行っている

 

1.について

新しい館では、PCが自動制御されており、1人が1日に決められた利用時間を過ぎると

勝手に終了するため、前にあれだけ苦労した少ない台数でのやりとりによる苦労が

全く発生しませんでした。長年続いたあの苦労は一体なんだったんだ状態に。。。

(その後、前述の自治体ではPC自体を撤去してしまったのにも疑問)

 

2.について

これまた前に何百回も聞かれ、無念な思いをしながら何百回となく「ありません」と答

えてきた年間カレンダー問題。次の自治体ではなんなく設置されていました。。しかも

スポンサーまで募集して。(予算がない、というのがなにかと使われがちな理由)半年

分ですが、利用者には十分で、クレームは皆無。本当にノーストレスでした。なぜこれ

ができないんだ。。。あれだけ本買う予算があればできるだろうに。100歩譲ってなく

てもスポンサー募集するとかクラウドファンディングするとか、ほかにも手段はありそ

うなものなのに。謎。

 

3.について

これも何百回となくカウンターで無念な思いをしながら謝罪・説明してきた電話連絡問

題。

前いた自治体ではやっていなかったのです。というか、ずーーっと以前はやっていたけ

ど、かなり前になくした。私が入った時(2008年頃)は既にやってなかったです。

予約件数が多すぎて手が回らないというのがその理由のようです。

かろうじてはがき連絡は残っていたけど、それも私がいるうちになくなり、数年前から

連絡手段はメールのみ。いやこれってどうよ。。といた時から思っていましたが、新し

い館では全然普通にやっていました。電話連絡。だよね。。

じゃないとお年寄りが困るじゃん。連絡手段はどうしますかって聞くと、ほぼ100パー

電話でっていう人がほとんどだよ。カウンターで本予約するお年寄りは。「メールがで

きないから、はがきがなくなって本予約できなくなって図書館にも来なくなった、家が

遠いし足が悪いからめったに来れないし」って言ってた人もいるよ。いちいち電話で確

認してくれって、ひどくない?情報格差広がるじゃん。公共図書館ってそれを解消する

ためにもあるんじゃないの?

 

・・・思わず熱くなってしまいましたが、

 

以上のように、

 

前の館で長年いろいろ疑問に思っていたことが、別の自治体ではなんなく解決されてい

るのを目の当たりにし、その意味で平穏な日々を経験してしまった身には、またあの不

毛なやりとりをする日々に戻る気はすっかりなくした、といった感じです。

ちなみにこれらのことは何度も上に伝えています。面接でも伝えています(笑)

しかし改善はされませんでした。

現在どうなっているのかの確認はしていませんが、解決はしていないであろうに1010

点。(2020年11月追記:つい最近、確認しましたが、相変わらずとのことでした)

 

自治体には自治体なりの理由があるようですが、私にはどうもいまいち納得がいきませ

ん。そもそもの方針というか、考え方が違うと言いますか。。。

本を沢山買っているのだから、それを少し減らして電話連絡のほうへ回せばよいのに

と私なんかは思いますが、自治体としては、それよりも本を沢山買いたいという方針の

ようです。こういう方針はなかなかすぐには変えられません。変えるとしても、実際に

変えるのは職員ですし。私達は嘱託ですから、たとえ意見は言えるとしても、最終的な

決定をする権限はありませんからね。決めるのは市役所職員の偉い人達です。

ということは、もし今入ってまだ変わっていなかったら、またあのストレスが継続する

ことになります。

なので、こういったことをまたいつも不満に思いながら仕事をするのはストレスなの

で、もう二度とやりたくないな、といった感じです。

 

たとえ解決していたとしても、今度の自治体ほど魅力ある仕事内容が感じられないの

で、しばらく受けることはないでしょう。。 

 

魅力ある仕事内容、というのは主には選書ができるかということです。

 

選書というのは図書館に入れる本を選定する仕事ですが、たいていは職員さんがやりま

す。これは直近の館でもそうでした。(職員さんは必ずしもというかほとんどが司書で

はない)

 

しかしなかには嘱託司書がやるところもあります。

 

私はぜひ選書をやってみたかったので、今度の自治体は選書できるというのも大きな魅

力でした。(ちなみにインターネット端末、電話連絡、カレンダーもクリアしていまし

た。)(2020年2月4日追記;思っていたような選書はできないことが、のちに判明しま

した。しかし他にも未経験の魅力ある仕事は沢山あり、やりがいあることに変わりはあ

りません。)

 

というわけで、今後また変化するかもですが、今のところ最初にいた自治体の司書職に

対する魅力はまだ発見できていません。待遇自体はかなりいいほうだと思いますが

(週4の嘱託司書としては知っている限り給与は最高額、雇い止めもなし)、

おそらくそれだけで戻る理由には今後もならないかと思います。

 

私の最近の一番大きな驚きといえば、この自分の変化です。

 

あれだけあそこの嘱託司書になりたかったのに。。

 

これも最初に浪人せず、先に決まった別のところに入ったから得られた視点と変化だっ

と思います。そう思うと辞めたとはいえ、あのとき入る決断をしたのは正解でした。

 

ちなみに元いた自治体の職員、嘱託、臨時職員の方々には大変お世話になりましたの

で、その点は感謝しています。

利用者にとって良い方向に動くことを、遠くから祈っております。

 

ではでは。今日はこのへんで。